真冬の韓国遠征【後編】
人喰いマングースです。後編は私が書きます。
─4th Day─
オサ堀りは苦行ということがわかったので、朝から川に魚採りに行きました。
こんな感じのRiver
雰囲気はどスケベなのですが、やはり寒さのため魚影はなし。
ちなみに韓国語でスケベはピョンテと言うらしいです。
それでも韓国伝統漁具ジョクテで地道にガサっていくとぽつぽつと生き物ちゃん達が姿を現しました。
以下、姿を現した生き物ちゃん達
Coreoleusciscus splendidus aeruginos (たぶん)
Coreoperca herzi
Iksookimia sp.
Orthrias nudus
Glandirna emeljanovi
Rana sp.
Laccotrephes japonensis
以上、魚類4種、両生類2種、昆虫類1種を確認。
もろちん最後はお魚と両生類はキャッチ&リリース
苦虫を噛み潰した顔でリリースをするチリモヌ
一通り水生生物を堪能したので、次はお山に行きサンショウウオ堀りをします。途中、道に迷い目的のお山に着いたのはすっかり日が暮れた夜。トラベルにはトラブルが付き物なので仕方ないです。
長靴に履き替え、ライトを装備、沢を詰めて行きます。
辺りは真っ暗。私の人生と同じですね。
30分ほど歩くと、良さそうなガレ場を見つけたので掘り始めます。
まぁ凍りついてまともに掘れないんですけど。
以下、確認した生き物。
Cicadoideaの一種
以上
─5th Day─
昨晩サンショウウオが確認できなかったのは夜だったからだとチリモヌが訳の分からない主張をするので朝から再び同じ山へ。
美しいですね。私の人生とは大違いです。
相変わらず凍ていついている大地。
松ヤニすら凍りつく。
以下、6時間ほど地面を這いつくばって確認した生き物。
Grylloblattidaeの一種
以上
掘るのを諦め、沢を下っていると兵役あがりの弱虫海兵が水面を見つめて奇声をあげました。軍隊でのトラウマがフラッシュバックでもしたのかと思い駆け寄ると...
Onychodactylus koreanus (幼生)
─6th Day─
光陰矢の如し理論でいよいよ採集可能なのは今日が最後。
お魚、サンショウウオはなんとか確認できましたが、オサムシビートルはチリモヌが3日目に採った地味なCarabus sp.1頭のみ。なんとしてもカブリモドキ系が欲しい我々はオサ堀りを行うことを決意。地面が凍ってないことに一縷の望みを抱いて標高の低い山で行うことに。
まぁすべて凍っているんですけど。
そんな中でもなんとか掘れそうな崖や根返りを探しますが、なかなか見つかりません。木々も貧弱のため、乾燥がひどく倒木も見当たらない。こりゃ終わったなと思っていると...
どピョンテな崖を発見。
ビクトリーを確信し、嬉々としてピッケルを振り下ろします。気分はもうシャイニングのジャック・ニコルソンです。すると…
Carabus sp.
Calosoma sp.
Carabus jankowskii ssp.
ついに遭遇できました。通称ヤンコフスキーカブリモドキ。正直ツシマカブリモドキと変わんねぇなというのがファーストコンタクトの感想...
だったのですが、ボンドパックしたら全然違いました。目に見えるものだけが真実ではない。大自然はいつも私に大事な事を教えてくれます。
弱虫海兵以外は無事カブリモドキを採集することができたので満足し下山します。
その後、程近い湿地でとある生き物が夜な夜な秘密の恋の舞踏会を開催しているとの情報を得たので向かうことにします。
すっかり日が暮れ、辺りが暗闇に包まれた頃に湿地に到着。そっと水面を覗くと。
Hynobius leechii
舞踏会の主役を発見。
愛の結晶も
Nepa hoffmanni
こいつも
─7th Day─
仁川→成田→お家
─総括─
人生初の海外採集たのしかったです。また行きたいなと思いました。
─完─
─おまけ─
本遠征のMVP達
弱虫海兵's car。7日もの間、大都会のストリートから道なき道まで我々を運んでくれた。5日目の夜に側面を擦った。
Callipogon relictus
道に迷ってたまたま辿り着いた博物館に展示されていた。現地で保護されており採集はできない。一目見た瞬間、あまりのカッコよさにモナリザの手を見た吉良吉影状態になってしまった。
犬。サンショウウオを探した沢周辺の集落で放し飼いされていた。こちらを睨みつけ一心に吠え続ける姿はまさにデスケルベロス。ある習性を持つ。