与那国島?【2020春】
人喰いマングースです。
3月中旬に単独で与那国島に行ってきました。
水生昆虫をメインに時間と体力をみてその他ご当地生物を探します。
─1st day─
羽田→石垣→与那国→宿→レンタル原付→開戦
さっそく水生昆虫を探すため、あらかじめ目星をつけていた池に向かいます。
航空写真などを見ていただければ分かると思いますが、与那国島には池や湿地が数多に存在します。地学的な理由は社会科の成績が2だった私には分かりません。
巡った水場の一部
そんなこんなで池やら湿地やらに網を入れると多種多様な生き物達が姿を現します。
以下、すべて載せるのは億劫なので気になった種のみ列挙。
トビイロゲンゴロウ Cybister sugillatus
シーサーよりこいつを見ると南西諸島に来た感がします。写真が糞なので黒く見えますが水中では仄かに赤みがかる緑が美しいゲンゴロウビートルです。
タイワンオオミズスマシ Dineutus mellyi mellyi
本来は流水域のよどみに多く見られますが、今年は雨が少なく沢に水が少ないためか山麓にある池で多く確認できました。刺激を与えると柑橘系の爽やかな匂いを出します。もし女性とデートすることがあったら彼らを擦り付けてから行こうと思います。国内では与那国島のみ生息。
トゲアシアメンボ Limnometra femorata
こいつも本来は流水域のよどみに多く見られますが、山麓にある池でタイワンオオミズスマシほどではないですが数個体確認できました。国内では与那国島のみ生息。
サキシマヌマガエル Fejervarya sakishimensis
島内唯一の両生類だけど移入種。
ヤエヤマイシガメ Mauremys mutica kami
キノコ王国かよと思うくらいどの水場にも大体いました。
─2nd day─
今日も今日とて水昆を探すわけですが、初日はアクセス良い水場のみを訪れていたので本日はアクセスの悪い場所を開拓します。
ひたすらルール無用のジャングルを進みます。ツルとヤンキーに絡まれるのが何より嫌いな私には辛い道のりです。
以下、そんな苦難の道の先にあった水場
多くの地点で遷移が進み草原と化していました。私が戦士族だったら攻撃力守備力が200ポイントアップするところでした。
水が残っている地点もありましたが水量は私の口座残高レベル
以下、例によってすべて載せるのは億劫なので気になった種のみ列挙。
エサキタイコウチ Laccotrephes maculatus
国内では与那国島のみに生息かつタイコウチ最小種。繁殖期だったようで夜に生息地を訪れると多くのアベックを出歯亀することができました。写りこんでいる巻貝はミーハーな私には分かりません。
ヨナグニキノボリトカゲ Japalura polygonata donan
個人的に他の国産キノボリトカゲシリーズよりダイナソー感を感じます。
オカガニ Discoplax hiripex
写真を撮ろうとすると逃げるわりにはピースサインで答えてくれました。
─3rd day─
あと一日を残していますが天気はあいにくの雨。
その中で一日中藪漕ぎをして草地を鑑賞する気力はヘタレの私にはありません。
かと言って、宿に引き籠ってただエロサイトを眺めるってのも流石に.......
幸い石垣〜与那国の復路便をずらすことが出来たので西表入りする事にしました。
まぁ西表も雨なんですけど.......
ですが、西表は先祖の墓参りより訪れているので個人的にめぼしい水昆ポイントは抑えてあります。数年前から定期的に西表を訪れてそれらがどうなっているのかを調べており、今回も折角の機会なので見ていきたいと思います。
今回のメインである私の瞳のように濁った池。3年前までは大小含めた様々な水昆を確認することができたのですが近年は減少の一途。原因は不明です。
以下、例によってすべて載せるのは億劫なので気になった種のみ列挙。
マダラアシミズカマキリ Ranatra longipes
南西諸島のミズカマキリ。この地点では3年前までは安定して見ることができたのですが、近年は姿を消していました。移動能力が高いのでそこまで不安ではなかったのですが、今回再確認することができ一安心。
タイワンタイコウチ Laccotrephes grossus
今回西表を訪れた最大の目的。3年前までは十数個体を安定して確認できたのですが、近年は全く確認できず。
今回は1♂のみの再確認となりましたが、ひとまず生き残ってくれていた事だけでも有難いです。しかしながら、この池を含めた私が知る限りの他生息地も極めて不安定な環境にあり、危機的状況なのは変わりません。どうにかしたいのですが、学もコネも無い私にはこのまま回復してくれる事をただ祈るのみ。
オキナワスジゲンゴロウ Prodaticus vittatus
人気の美麗種。網に入ると人の不幸でしか笑わない私でも思わず笑みがこぼれます。こいつらも3年前までは行く度に十数匹は確認できたのですが近年は数匹のみずつ......
グッピー Poecilia reticulata
捕食者である大型水昆が減少したせいか年々個体数が増加している気がします。外来種どうこうはともかく美C
ヒメアマガエル Microhyla okinavensis
以前、その愛くるしい容姿から持ち帰り、部屋で飼育してそのあまりの鳴き声にノイローゼになりかけたフロッグ。
リュウキュウカジカガエル Buergeria japonica
チキンレースでもしているのかと思うほど路上に溢れていました。
そのほかにもサキシマヌマガエルが多く見られ、鳴き声ではヤエヤマハラブチガエル、アイフィンガーガエルを確認することができました。
サキシママダラ Dinodon rufozonatum walli
路上でチキンレースをしているカエル共を狙った個体を多数確認できました。
サキシマハブ Protobothrops elegans
夜にカエルが豊富な水場を訪れると大体います。基本的には大人しいです。稀に謎の戦闘狂個体もいますが。
─総括─
●与那国
確認種一覧(水生昆虫)
注1)科名、種名および記載順は「河川水辺の国勢調査のための生物リスト令和元年度生物リスト」に準拠した。
注2)重要種の選定基準は以下の通りである。
絶滅危惧ⅠA→CR 絶滅危惧IB類→EN 絶滅危惧II類→VU 準絶滅危惧種→NT 情報不足→DD
沖縄県レッド→レッドデータおきなわ第3版
絶滅危惧ⅠA→CR 絶滅危惧IB類→EN 絶滅危惧II類→VU 準絶滅危惧種→NT 情報不足→DD
トンボ類(ヤゴ)は今のオラの力じゃ同定できねぇから対象外としました。
微小種は時間的制約から見落としが多々あったと思われ、もう3,4種は採れていたと思います。ガバガバ記録ですね。
●西表
サンプルを採る余裕がありませんでした。微小種の現地同定は糞にわかな私にはimpossible
考察
色んな生き物がたくさんいてすごいなと思いました。
─完─
─おまけ─
ヨナグニシュウダに擬態したサトウキビの残骸
農道にたくさん落ちていました。遠目から見ると本当にヘビに見えます。ちなみに滞在中3回この道を通りましたが、3回とも見間違えました。シュウダは見つかりませんでした。
日本の水生昆虫
今回の同定に用いた主なBook。ろくに働いていないので近所の図書館にて借りました。発売日には立ち読みしようと書店に行きましたが、あまりのスケベさに成人向けコーナーで探してしまいました。書評などはオラより強ぇやつらがalready done itしてると思うので省きます。